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いろんな好きなもの、語ります。

『のっぺら あやかし同心捕物控』
のっぺら
私は霜島ケイさんの『封殺鬼』シリーズが大好きで20年以上の付き合いになりますが、「作者買い」をしている訳ではないので、この方の他の作品を読んだ事はありませんでした。

が、何やら目に留まったこの作品。

「南町奉行所定町廻り同心、柏木千太郎はのっぺらぼうで顔がない、れっきとしたあやかしだ。だからといって江戸っ子はいちいち驚かない」

うわ、霜島先生らしい!これは面白そう!…という訳で、買ってみちゃいました。
読んでみたら、やはり慣れ親しんだ作者の文章だけあって、なんの抵抗もなくスイスイと読み進められ、あっという間にキャラクター達を好きになり、「ここでそのボケが!?」といういつものアレで笑わせられました。
そうか、『封殺鬼』に限った事じゃないのね。これがこの作者の技なのね(笑)

江戸の描写とか言葉とかはあまりリアルにしてないので、しゃちほこばった「時代小説」ではないですね。まぁいわゆるライトノベルのまま…という事でいいのかな?
でもだからこその面白さだろうしなぁ。

主人公の千太郎が「のっぺらぼう」で、のほほんとした風情なせいか、全体的にそういう可笑しさがあるし、彼の周囲の人々がまた個性的で魅力的で、情に厚く気持ちの良い人が多いものだから、とにかく温かい。
子供目線の語りも多いから、余計にそう感じるのかも。

『のっぺら』には千太郎のシリーズの短編が3本収録されています。
軽いタッチの笑わせてくれる作品もあるけど、じわっと涙腺くすぐってくれたりもするし、笑いだけではなく、思わずゾッとするような描写がふいに出て来て、千太郎が「あやかし」なのだという事を思い出させてくれるところは、流石だなとも思いました。

「あやかし」だとか「子供」だとかっていうと『しゃばけ』のシリーズを思い出すけど、キャラクターから何から、私はこちらの方が好きです(言い切った!)。
読んでいて、ああ、やはり『封殺鬼』の作者だなぁって嬉しくなってしまう作品でした。
という事はもう、私は単純に「霜島ケイ」のファンだって事なんでしょうね。

5歳になる娘の小春ちゃんが千太郎の顔に「へのへのもへじ」を書いてしまう『へのへのもへじ』が、お気に入りです。喜んで得意そうにしている千太郎とか、必死に笑いを堪える同心仲間とか、微笑ましいったら。

実はもう一冊出ているという事で、既に購入済みです。読んですぐ注文してしまいました。
いやー、楽しみ!
 
本・小説 comments(0) - ノリアン
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