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いろんな好きなもの、語ります。

『ひょうたん』
ひょうたん
先日読んだ、のっぺらぼうの同心、柏木千太郎を取り巻く江戸の人々の物語のシリーズ続編。
『ひょうたん』と『丑の刻参り』の2本が楽しめます。

「柏木の旦那は、どうやって飯を食っているんだろう」という江戸っ子達の疑問は、そのまま私の疑問でもあったのですが、さらりと答えが与えられておりました(笑)
『ひょうたん』とタイトルにもある通り、千太郎がいつも腰に下げているひょうたんこそが、彼の口、そして胃の代わりで、食べ物も飲み物も、そのひょうたんに注がれる訳です。
ところがある日、その唯一無二のひょうたんが何者かに盗まれてしまったからさぁ大変!

…これはねぇ、実は読んでいて本気で心配してしまいましたねぇ。
だって旦那、水も飲めない訳でしょ?そんなに何日も持つ訳ないですもん。
点滴を打つ事も出来ない時代、何も出来ない家族の気持ちとか、ちょっとリアルに、辛いなぁと。

でも千太郎の為に犯人探しに駆け回る仲間とか、代わりにならないかと千太郎の家に次々と持ち込まれるひょうたんとか、やはり温かくて、じんとする。

当の本人がけろりと復活するくだりは、実にこの作者らしくて笑いました。

『丑の刻参り』の方はタイトルは怖いけど、お由良という女の子が頑張るお話。割と少女漫画テイスト。
最後の方の伊助とお由良ちゃんのやり取り、キュンとしました。っていうかこの話を読んで伊助の株が上がったかな。千太郎や正悟と一緒にいるとまだまだ頼りないイメージが強いけど、お由良ちゃんと一緒だと、なんだか普通に男前だわ(笑)

話の方は、意外に怖かったです。なかなかホラーです。
途中で「うわ、怖い」って思いながら読みました。

それから読んでいて思ったのは、私がもう随分と千太郎ファンになっているんじゃないかという事。
この話は完全にお由良ちゃんが主役なので、千さんはいつも以上に脇役なんですが(笑)、でも今までにない「怒り」の表現に、思わずテンション上がってしまいました。
カッコいいんだよなぁ、千太郎。

あと、艶様、素敵すぎました…。
妖艶でクールな美貌のお母様…。
惚れる…。

という訳でますますこの世界のファンに。霜島先生、続き待機です。よろしくお願いします!



 
本・小説 comments(0) - ノリアン
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